変形性膝関節症
起き上がるとき、動き出すときにひざのこわばり、違和感を感じる
痛みよりも「ちょっと膝が変」という程度の感覚を感じるようになります。痛みを感じる多くはO脚傾向の方が多く、O脚によって膝内側の軟骨同士の距離が狭くなってすり減りやすいためです。
正座、階段の上り下り、急な方向転換といった動作時に痛みを感じる
特に階段を降りる時に顕著に現れやすいという特徴があり、階段の昇降動作は歩くよりも膝に負担がかかり、体重の4~7倍の負荷がかかるためにあると言われています。
膝を曲げきる・伸ばしきることができない
症状がある程度進むと、膝を曲げられる角度が小さくなっていくことが確認されており、加齢による可動域制限や、変形性膝関節症の痛みから動かすことを避けたりすることで、膝周辺の動作時に関わる筋肉や関連組織などが衰え膝を満足に動かしづらくなっていきます。
膝が腫れる・膝に水が溜まる
膝関節に炎症が引き起こされると、関節液が通常よりも多く分泌されることがあります。これがいわゆる”膝に水が溜まる”という状況です。外見的には膝関節が腫れこの関節液が溜まっていて腫れる症状を「水腫」といいます。
明らかな膝の変形がみられる。
変形性膝関節症の症状がかなり進行すると、極端なO脚やX脚になることがあります。
変形性膝関節症は膝の軟骨を摩耗させると考えられており、摩耗が積み重なると軟骨が消失して膝関節内の隙間が小さくなり膝関節の変形だけでなく、スネの骨、太ももの骨、足・足関節なども合わせて変形を起こし外見的に目立つほどの変形になっていきます。
変形性膝関節症に対する当院の考え
変形性膝関節症は、加齢や膝周囲の筋肉量の低下などにより関節の軟骨がすり減り、痛みが生じる病気です。軟骨の減少により、膝関節の骨同士のすき間が狭くなり、内側の骨が露出したり、骨棘(トゲのような突起物)が形成されたりして、骨の変形を引き起こします。また、関節包内部の繊維膜に炎症が生じるため、膝に水が溜まる症状が見られることもあります。
変形性膝関節症にかかりやすい人は、家族に既にこの病気の人がいる方や高齢者、肥満体型の方などが挙げられます。特に女性に多く見られることが分かっています。
女性ホルモンの減少が一因と考えられており、健康な骨、軟骨、筋肉を維持するためには、エストロゲンという女性ホルモンが重要な役割を果たしているとされています。そのため、閉経後にエストロゲンの分泌量が急激に減少すると、変形性膝関節症のリスクが高まると言えます。また、女性は筋肉量や体脂肪率などの要因も男性と比べて影響を受けやすいと考えられます。
予防の観点からは、日常的な運動やストレッチ、食生活の見直しが重要です。適度な運動を取り入れることで関節を動かし、筋肉を強化することが重要です。また、バランスの良い食事や栄養素の摂取にも注意しましょう。これらの生活習慣の改善は、変形性膝関節症の予防につながることがあります。
変形性膝関節症を放っておくとどうなるのか
変形性膝関節症を放置しておくと、日常生活に支障をきたす可能性があります。
痛みや運動制限が進行し、歩行困難やしゃがむ・正座するなどの基本的な動作が難しくなることがあります。これにより、生活の質が低下し、日常の活動に制約が生じる可能性があります。
さらに、変形性膝関節症は放置すると悪循環に陥ることもあります。痛みがあるために動くことを避ける傾向が生まれ、結果として筋力が低下し体重が増加する可能性があります。これにより、関節への負担が増えて症状が悪化し、さらなる痛みや運動制限が生じるという悪循環に陥ることがあります。
変形性膝関節症では、傷んだ軟骨の再生や修復は自然には難しいです。ですから、早期に施術を開始し、適切な対処方法を選択することが重要です適切な施術や管理計画を立て、症状の進行を遅らせ、日常生活への影響を最小限に抑えることが目指されます。
早めの施術が症状の進行を抑え、生活の質を改善するために重要です。
変形性膝関節症の軽減方法
変形性膝関節症による痛みの軽減には、いくつかの方法があります。以下に挙げる方法は、一般的に症状の軽減に役立つとされています。
・筋肉のストレッチと強化
膝周りの筋肉を柔軟に保つことで、関節への負担を軽減することができます。膝のストレッチや軽い運動、筋力トレーニングを取り入れることが有益です。ただし、運動やトレーニングを行う際は医師や専門家の指導を仰ぐことが重要です。
・ツボ刺激やマッサージ
膝周りのツボを刺激することで、血流を改善し痛みを軽減することができます。鍼やお灸、指圧マッサージなどを利用する方法があります。ただし、これらの施術は適切な技術を持つ専門家によって行われるべきです。
・体重管理
適切な体重を維持することは、膝関節にかかる負担を軽減するために重要です。肥満や過体重は膝に余分な負荷をかけることがありますので、健康的な食生活と適度な運動を組み合わせて体重を管理することが推奨されます。
変形性膝関節症の軽減が期待できる施術メニューは?
当院では変形性膝関節症の症状に対して鍼治療をご提供しています。
鍼施術は特定の経絡や解剖学的ポイントに鍼を刺すことで行われます。
経絡上のポイントとしては、衝門、伏兎、梁丘、血海、陰包、足三里、殷門、委中、陰谷、委陽、承山などが使用されます。また、解剖学的な観点からは、大腿四頭筋、縫工筋、薄筋、ハムストリングス、前脛骨筋、腓腹筋(内・外側頭)、膝窩筋、関節裂隙(大腿脛骨関節・膝蓋大腿関節)、鵞足、靭帯(腸脛靭帯、膝蓋靭帯、内・外側側副靭帯など)などが関連するポイントとされます。
鍼施術は、人間の体が持つ傷の修復作用を活用しています。
痛みによって固まった筋肉の緊張を緩和する効果が期待されます。微細な傷を刺すことで血液循環を促進し、筋肉の緊張を緩和する効果を狙います。
その施術を受けるとどう楽になるのか
鍼施術は変形性膝関節症において、痛みの緩和と関節可動域の向上効果が期待できます。
まず、痛みの緩和によって膝の動きが改善されることで、日常生活動作が楽になると述べられています。痛みが軽減されると、膝関節の可動域制限も緩和される傾向があります。これにより、患者様は運動療法や日常的な活動に積極的に参加しやすくなるでしょう。適切な運動や活動は関節の機能を維持し、進行を防ぐために重要です。
さらに、膝関節の安定性が向上することで、次のような効果が期待されます。
・軟骨のすり減りを抑える
膝関節の安定性が高まることで、軟骨の摩耗を軽減する効果が期待できます。
・膝内部の炎症の防止
関節の安定性が増すことで、膝内部の炎症が抑制される可能性があります。
・関節水腫の予防
関節の安定性にアプローチすることで、関節内の水の異常蓄積(関節水腫)を予防する効果が期待できます。
軽減するために必要な施術頻度は?
変形性膝関節症における鍼施術は、痛みの軽減が期待されます。しかし、年齢を重ねると関節を支える筋肉が減少し、筋力も低下してしまいます。このため、筋肉の回復と運動能力の向上を促すためには、時間がかかります。
痛みが軽減されても、再発を予防するためには週に2〜3回の施術をお勧めします。また、施術の期間は3ヶ月〜6ヶ月程度となります。これは、筋力の回復や運動能力の向上には時間が必要であり、短期間の施術では効果が限定的となるためです。
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